なぜ人工知能(AI)技術を利用したタクシーサービスは失敗するのか?

AIタクシー

AIを使ったサービスが増えていますよね。新しいサービスには必ずAIの文字が。そういった流れはタクシーサービスにも現れています。

今回は「ソニーとタクシー7社、「みんなのタクシー」設立。配車にソニーのAI技術」を読んで以前から思っていたことを記事にしました。どうしてタクシー業界でない人たちがタクシーのサービスに口を出すのかについてです。

この記事は、タクシーにすぐ乗れるようにAIを活用して便利になったらなぁとか。タクシーは効率が悪いからAI技術で改革できるはずと思っている人とか。なんかもっとタクシーが便利になったらいいなぁと感じている人におすすめの記事です。

みんなのタクシー株式会社を設立のニュースを見て思うところを書いてみました。

なぜAIを活用したタクシーサービスが増えているのか?

僕の見解ですが企業の頭の良い人たちがタクシーにすぐ乗れないと感じ、自分たちで改善しようと考えるからだと思います。自分たちがタクシーにすぐ乗れないのはおかしい。AIの技術やスマホを利用すれば乗りたい時にすぐタクシーに乗れるようにしようと考えているのかもしれません。

お客さんからも「タクシーにすぐ乗れない。Uberやスマホを使えばもっと便利になるはず。なぜタクシー会社はIT技術を利用しないのか」と提案されます。僕はこういう人たちがAIを利用したタクシーサービスやアプリを考えているのんだろうなぁと思っています。

タクシーを利用するIT関連会社の人や頭の良い人たちには不便でアナログなタクシー業界はブルー・オーシャンにみえるのかもしれません。「スマホを使えばもっと便利になる」はお客さんからよく聞くセリフです。

自動運転に関しては「自動運転によってタクシー運転手の仕事はなくなるのか?」でも記事にしていますのでご覧いただければと思います。

タクシーは飲食店と似ている

飲食店

僕がお客さんによく言うのが「タクシーは飲食店のようなものですよ」です。

飲食店だとランチタイムや夕食時など混雑する時間帯はお店の外まで並んでいますよね。お店の席数やさばける人数は決まっているのである程度の人数以上は並んでしまうのも仕方ない。これは誰でも理解できると思います。タクシーも同じなんですよ。

タクシーも通勤や帰宅時間は混雑しますし、雨や雪など天候によっても混雑状況は変わります。電車が止まったりしても混雑しますね。しかもお店の席数と同様にタクシーの車両数も決まっているのでキャパシティ以上にはさばけません。

こうして考えてみるとタクシーと飲食店のサービス提供状況は似ていると理解してもらえるはずです。でもなぜかタクシーは乗りたいと思った時にすぐ乗れるイメージがあるのですね。不思議です。

AIによって利便性は改善するのか?

混雑

タクシー以外にも混雑していたりすぐ利用できなかったりするサービスがありますよね。要するに並ばないと受けられないサービスのこと。混雑したり並ばないと受けられないサービスをAIで改善できるならタクシーの利便性もAIで改善できます。

たとえば飲食店の土日ランチタイム。家族連れやカップルなど土日や祝日、大型連休などはお客さんで賑わっています。お腹が空いたと思ってもすぐに座れるはずもなく何十分や何時間も待つことがあります。混雑する飲食店をAIで改善できるならタクシーも改善できますね。

ほかには通勤通学時間帯の通勤ラッシュ。どうして通勤時に混雑するのかは輸送機関のキャパシティオーバー。要するに電車で輸送できる人数を超えているのです。通勤ラッシュをAIで改善できるならタクシーも改善可能ですよ。

さいごはディズニーランドのアトラクション。開園と同時にファストパスに並び、人気アトラクションは午前中には受付終了。ほかにも何時間も並ばないとアトラクションに乗れない状態の混雑するときがあります。これもアトラクションのキャパシティオーバー。ディズニーランドの混雑をAIで改善できるならぜひお願いしたいと思います。

これらの混雑を改善できるならタクシーの利便性向上は可能だと思います。まずは通勤ラッシュ、電車のキャパシティオーバーを改善してください。改善できたならそのノウハウを利用しタクシーの利便性向上していただきたいと思いますね。

ニュースリリースは無理だらけ

ここではみんなのタクシー株式会社のニュースリリースから引用させていただき問題点を指摘させていただきます。

タクシー会社7社は都内最大規模の計1万台を超えるタクシー車両を所有しており

1万台もタクシーがあるならお客様の需要にも答えられそうですよね。AI技術やスマホを利用して需要予測からサービスを提供していただきたいです。ちなみに東京都の人口は約1370万人、東京23区の人口は約930万人、首都圏に範囲を広げると約3700万人です。

お客様が必要な時に必要な台数のタクシーを用意できるようにする

先程も書きましたがタクシーは飲食店と似ています。このニュースリリースを飲食店に置き換えてみると無理が理解できます。

お客様が必要な時に必要な席数の飲食店を用意できるようにする

飲食店は混雑時だと必要な席数は確保できません。これは誰でもわかることです。でもタクシーだとなんだか確保できると思ってしまうのですね。

ちなみにタクシーの時間指定はコスト増です。予約や時間指定については「なぜタクシーは予約できないのか?」でも書きましたが無理な配車はやめていただきたいと思います。

タクシーの仕事は地味

ニュースや日常でタクシーは目に付きやすく、不便と感じるサービスです。なんとか改善したいと考える対象になりやすいと思います。

でもタクシーの仕事はひとりひとりにサービスを提供する地味な作業です。逆にいえば個別に対応してくれる珍しいサービス。飛行機や新幹線は個別対応不可の大量輸送。その反対が個別対応メインのタクシー輸送です。

簡単に利便性向上できないのがタクシー輸送なのです。効率化や低価格化を求めた結果が電車やバスです。非効率で利便性が悪いのがタクシーであって、だからこそ個別に対応してくれる唯一の輸送機関なのです。

まとめ

タクシー配車アプリやAI技術のタクシーサービスやいろいろ目にするなぁと思っていましたがついに記事にさせていただきました。日頃思っているうっぷんを晴らしたような気がします。

みんなタクシーに不便を感じている。でも簡単には改善できないのがタクシーの利便性なのです。タクシー運転手たちは地味にがんばっているのですよ。

最後に「踊る大捜査線」で登場した有名なセリフの書き換えで締めさせていただきます。これはすべてのタクシー運転手の気持ちかもしれませんね。

タクシーの仕事は会議室で起きているのではない。現場で起きているんだ!

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