タクシーの自動運転実用化が無理なたったひとつの理由

自動運転無理

近い将来、自動車は自動運転が一般的になり、タクシーも自動運転タクシーが普及しタクシー運転手の仕事もなくなる。そんな話をよく聞くようになりました。

ニュースでも車が必須な地域の高齢者対策に自動運転を早く開発したほうが良いとまで聞くように。自動運転に期待をする人たちをよそ目に、タクシー運転手が自動運転の実用化が無理で不可能な理由を記事にすることにしました。

道がぁとか、事故がぁ、とか無理な理由がありすぎて本当に実用化を考えているのか疑問です。いろんな理由がある中でタクシーの自動運転化が無理な理由をひとつピックアップして記事にしてみました。

余談ですが記事タイトルに「たったひとつの理由」と付ける一昔前に流行ったアイデアを採用しました。タイトルは少しネタ含みですが内容は多少しっかりしていますのでどうぞご覧くださいませ。

たったひとつの理由はコスト

タクシー会社は株式会社です。株式会社の目的は利益ですよね。自動運転タクシーが会社に利益をもたらしてくれるなら多くの経営者が導入するはずです。

今のタクシー会社が所有している車両は何年もののクラウン・コンフォートが主。数十年前に開発されたの今やレトロ車両になろうとしてるくらいの車です。それくらいコストを意識してやっと経営しているのがタクシー会社です。

お客さんを乗せて数百円や数千円の仕事を積み重ねて成り立っているのです。稼ぎ時の年末でも売上が数倍になることはありません。交通機関ですので薄利多売。タクシーの売上は落ちるのは早く増えるのはいつになることやら。

そんな小銭を稼ぐ現金商売のタクシー会社が世界の最新鋭技術である自動運転車両をいち早く導入できるはずがありません。一般消費者にも販売されタクシー車両としてコストに見合うと判断されれば導入されるでしょう。

はたして自動運転車両がお求めやすい価格になるのはいつになるのでしょう。

車両価格

新製品は価格が高いですよね。それは目新しいので高く売れるのと量産効果が効いていないのが理由です。

製造業のコストを下げるには量産する方法が一番です。ひとつ作るより100個つくるほうが安くできるし、1000個作るほうがもっと安く製造できます。

自動運転車両も最初は価格が高めで販売されるでしょう。少しづつ価格が下がってきて需要と供給が一致したあたりで価格が落ち着きます。その自動運転車両はこんなくらいの価格がタクシーとしてコストに見合うかどうかで導入されるか検討されます。

もし自動運転車両の車両価格が高ければタクシーとして導入されません。

メンテナンス費用

タクシーに採用されているのはLPガスとガソリンを燃料とする車両です。それらの車両は昔からあってメンテナンスのノウハウも蓄積されいています。地場の小さな工場でもメンテナンス可能ですので費用もそれなりに安くできます。

車両のメンテナンスには工具や部品など複数の項目があります。それらが今までの車両と同じであればメンテナンス費用も同じように安くできます。でも自動運転車両が特別な工具や部品を利用しているなら価格が高くなることが予想されます。

タクシー車両は何十年も積み重ねてきたノウハウを使ってメンテナンスしています。新しい技術の車であれば戸惑うことも多くなり、メンテナンス費用や手間暇もかかってきます。

自動運転車両はメンテナンス費用が高くなるのであればタクシー車両として導入されないでしょう。

メンテナンス人件費

自動車の車検は小さな工場でもみてもらうことができます。では自動運転車両はどうなるのでしょう。もし専門の工場や専門のスタッフしかメンテナンスや検査、修理することができないのであれば、費用は割高になります。

カローラやクラウンなど車両台数が多ければメンテナンスできる人は多くなり、人件費もそれなりの価格で落ち着きます。でも珍しい車両や機械、特殊車両をメンテナンスできる人材は限られます。

メンテナンスが容易で安く簡単にできないのであればタクシーに向いていません。

耐久距離と年数

タクシーお金

タクシーは1日300キロ、一ヶ月に9000キロ、一年に10万キロ走ります。一年に約10万キロ走ってそれを数年運用します。一般車両は1年1万キロの7年くらいの7万キロが普通です。

自動運転車両は何万キロまで走るように設計されているのでしょうか。一般消費者に向けて開発するのであれば数十万キロまで耐える設計は過剰品質です。自動運転車両が数十万キロ走ることを想定されているとは思えません。

タクシー車両に採用されるには数十万キロ走る実績がほしい。

オペレーター人件費

メンテナンスする人材と同じ気がしますが、オペレーターとは自動運車両を運用する人のことです。自動運転といっても起動から終了、充電や給油など完全自動ではありませんよね。必ず人が操作する必要があります。

自動運転の車は最初は専門の人しか操作できないはずです。運転免許証と同じように許可や研修を受けた人が管理するのは間違いありません。場合によって凶器になる車を誰でも操作できるわけがなく、ごく限られた人が管理者になるでしょう。

誰でも操作できず、専門家や免許が必要であれば人材や教育費が必要になります。タクシー会社がわざわざそんな面倒なことを進んでするとは思えません。

お客さんの要望は低価格

タクシーに乗るお客さんが自動運転タクシーを希望する理由は価格です。早く自動運転のタクシーが走ってくれたらいいと思うお客さんの隠れた要望は安い金額でタクシーに乗りたいのです。

自動運転タクシーにお客さんが望むのは安全でも便利さでもありません。要は自動運転になってタクシー料金が安くなってほしいと思っているのです。

たとえば自動運転タクシーが運転手タクシーより割高なら誰が乗るでしょうか。誰も乗らないでしょう。では同じ金額ではどうでしょうか。お客さんは運転手のタクシーに乗ると思います。

こうして考えてみるとタクシー料金が安くないと人が運転しない自動運転タクシーに乗るお客さんはいないのです。

さてタクシー乗り場に運転手が運転するタクシーと自動運転タクシーが客待ちしています。どちらも同じ料金です。どちらに乗りますか?

まとめ

自動運転の技術は進歩していると思いますし、遠い将来の車は人が運転しなくてもいいかもしれません。でもそれはかなり先の話だと思います。

タクシーの自動運転が話題になるのでタクシーの自動運転が無理な理由を考えてみました。これは地方や田舎の交通事情や高齢者の移動対策も同じです。コスト面で人が運転するより安く運用できない限り自動運転は普及しないのです。

自動運転で安く運用できる。それも望まれている未来だと思います。でももっと期待すべき未来は事故が起きない社会ではありませんか?

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