なぜタクシー会社はドアサービスをするのか?

ドアサービスとは
タクシードアサービス

ホテルの大きくて重いドアをスタッフがドアサービスしてくれるととても助かりますよね。荷物が多かったり開け方がわからなかったり。立派なドアがあるホテルでのドアサービスはホテルの優雅さを感じます。

今回はタクシーのドアサービスについてタクシー運転手が考えてみました。ハイヤーやVIPが乗る黒塗りの車でドアサービスをしている姿を見ますよね。最近では一般のタクシーでもドアサービスをしているようです。

タクシーのドアサービスは必要なのか?重要か?サービスとしてどうなのか?などを知りたい方におすすめの記事となっています。タクシーを利用するお客さんやタクシー運転手にも気になる内容となっていますのでぜひご覧ください。

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タクシーのドアサービスとは?

タクシー料金

日本のタクシーは自動ドアなのは一般的に知られていることですよね。ちなみに自動ドアは後部座席左側だけです。その後部座席の自動ドアを運転手が手動で開けるのがタクシーのドアサービスです。

お客さんをお迎えに行ったときに事前に車から降りてドアサービス。お客さんが乗るときに運転席から降りてドアサービス。目的地まで到着してお客さんが降りるときに運転席から降りてドアサービス。

運転席のレバーでドアを開けることができるのに、わざわざ車から降りてドアを開けるのがタクシーのドアサービスです。

なぜドアサービスするのか?

自動ドアなのに運転手がドアを開け閉めする必要があるのか不思議に思う方もいるでしょう。ここからはタクシーがドアサービスをする理由を考えてみました。

タクシー会社がドアサービス好きだから

タクシー会社の上層部や管理部門はドアサービスが好きです。タクシーはサービスの時代と宣言し、まずはドアサービスからという流れなのはお約束。タクシーはドアサービスから始まりドアサービスに終わるかのように指導します。

本当にタクシー会社はドアサービスが好きだなぁと思います。

ほかの会社がやっているから

ニュースでほかのタクシー会社がドアサービスを始めた。当社もサービス向上のためドアサービスを導入しようとするのもお約束です。上層部がドアサービスが好きな理由に含まれますが理由のひとつとして上げてみました。

参考記事:【まずは落ち着いて】タクシーに忘れ物をしたときの対応方法とは

見栄えが良い

ホテルのドアサービス

運転席から挨拶をしても見栄えが良くありません。インターネットの写真や広報写真、求人広告などタクシー運転手の写真を利用する機会は多々あります。そのタクシー運転手の写真が運転席から顔をのぞかせているよりは、ドアサービスをしている姿の方がカッコ良いからです。

基本的にタクシー運転手は運転するのが仕事なんですが、運転している姿は素っ気ありません。それより車の外に出てドアサービスをしている姿はなんだか立派な仕事をしているように感じるのです。

心温まる良いサービスと感じる層がいるから

ドアサービスが嫌だと思う人は少ないでしょう。早く車を出してほしいとか仰々しいとか思う人もいるでしょうが、どうしても嫌なお客さんは少ないはずです。

逆にドアサービスは心温まる良いサービスと感じる人がいます。タクシーのドアサービスはそれらの層に向けてのサービスかもしれません。

ドアサービスはやめてほしいけど仕方ないと感じるお客さんと、ドアサービスは心温まる良いサービスと感じるお客さんがいるのです。ドアサービスが嫌なお客さんは違うタクシーに乗るでしょう。ドアサービスが心温まる良いサービスと感じるお客さんは「良いサービス」と声を上げます。

結果タクシー会社に聞こえてくる反響は後者なのです。

ネタ切れ

タクシー業界は業績が悪化しています。全体的に給料が下がっているとか、自家用車が増えたとか、公共交通機関が増えたとかいろんな理由があります。

それでもタクシー会社は業績を上げたいとか改善したいとか考えています。それで思いつくのがドアサービス。

タクシー会社はドアサービスをして売上を上げたいと考えています。でも実際のタクシー業務では何をしていいのかわからない。とりあえずドアサービスをしようとネタ切れ状態なのです。

ドアサービスの現状

次からはドアサービスの具体的現状を考えていきます。実際の業務上問題がないのかも含め紹介していきます。

運転手が社外に出ると危ない

ドアサービスをするには運転手が外に出る必要があります。車を左に寄せたとすると運転席側は車が走行しています。後方から車が追い越していく道に出るのは危険です。住宅街であれば車通りも少ないので問題ないかもしれませんが、バス通りなどの幹線道路であれば車を降りることは危険ないこともあります。

高速道路では車外に出ることは禁止されています。それと同様に車の外に出る行為は危険です。車内にいれば車に引かれることもなかったのに、車外に出たばっかりに引かれてしまうことも考えられます。

現実的に車から降りるのは危険。できれば駐車場や安全な場所で降りることが望ましい。ドアサービスのために運転手が車外に出ることは控えるべきだと思います。

自動ドアですよ

車の自動運転に向けて日本を代表する企業であるトヨタも動き出しています。AIやオートメーション化など自動化が進められています。身近な話では近所のスーパーやガソリンスタンドではセルフ可が始まっています。

そんな世の中、レバーで開け閉めしているとはいえタクシーは自動ドアです。それを運転席から降りてドアを開け閉めするのは意味があるのか疑問です。タクシーの自動ドアを発案した人は驚いているかもしれませんね。

関連記事:ジャパンタクシーを現役タクシー運転手が評価してみた

急いでいる人には面倒

運転席に乗ってシートベルトを締めて前後左右を確認するのは数秒ですがお客さんにとっては意外と長く感じるものです。タクシーは急いでいる理由で乗る人が多い乗り物でもあります。

とにかく急いでほしいと焦るお客さんからしたらドアを開け閉めするために車から降りるのは時間のムダ以外としか感じられないでしょう。

自動スライドドアが主流になる

ドアサービスが好きな経営陣の思惑をよそに、自動車業界は自動スライドドアが主流になり始めています。ヒンジドアのセダンは過去のもの。今売れている人気の車種は自動スライドドアばかりです。

自動スライドドアを車から降りて手動で開けるドアサービスは聞いたことがありません。もし自動スライドドアの車をドアサービスした場合を考えてみましょう。

お客さんを乗せるときに車を止めます。運転席にドアを開け閉めするスイッチがありますが、運転手は車から降ります。車の左側に行ってスライドドアを手動で開けます。お客さんが乗り込んだのを確認しスライドドアを閉めます。運転手は追い越していく車に気をつけながら運転席に乗り込みシートベルトを閉めます。

以上が自動スライドドアのドアサービスの流れです。自動で開くドアを手動で開けに行く行為はムダとしか思えません。自動スライドドアにドアサービスは不要と思いませんか。自動スライドドアにドアサービスが不要であれば、自動ヒンジドアでも同じく不要です。

僕はヒンジドアもスライドドアも乗ったことがあります。その経験から言うと今後はスライドドアが主流になると確信しています。なぜならお客さんはスライドドアの方が圧倒的に乗り降りしやすいからです。

タクシーのドアサービスは不要

ここまで読んでいただければわかると思いますが、僕はタクシーのドアサービスは意味がないと思っています。日々の業務で直接お客さんと接する中での結論です。

立派なサービスを感じさせるドアサービスですが実際には評判が悪い。ドアサービスをしてもらいたいお客さんと不要なお客さんでは圧倒的に不要な人が多いと思います。何度も書きますがタクシーにドアサービスは不要です。

ではドアサービスをせず運転席に座ったままが最善なのでしょうか。最後にタクシーのサービスについて考えてみました。

まとめ

ドアが自動で開かない時代は開けてあげるがサービスでした。でも今は自動で開け閉めできます。お客さんのためを考えたサービスの一部であったドアサービスだけが独り歩きしてしまいました。

ドアサービスはドアサービスをするだけですよね。何となくそんな響きがします。今のタクシー運転手は本当のサービスを考える必要があるように思います。

タクシーに乗る人はいろんな人がいます。荷物が多かったり、足が悪くて乗り降りが不自由な人。車椅子があったり、ベビーカーがあったり。オリンピックを控えた今では言葉が通じなかったり、道がわからなかったり。

タクシーに乗りたい人にお手伝いするのがタクシーのサービスではないでしょうか。いろんな人のいろんな状況に対応しお手伝いする。これがタクシーの本当のサービス。ドアサービスから本当のサービスへ意識を変えていく必要があります。

ドアサービスをして感謝されたことは一度もないように思います。でも乗車のお手伝いをさせていただいたお客様からはありがとうと言われます。

ドアサービスは自動ドアのレバー代わりにしかなりません。これからはあなたが考えたサービスをタクシーに乗るお客様に提供してください。それが本当のサービスですからね。

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コメント

  1. 二種免許で旅客運転を行う者にはドアサービスが義務付けられています。

    これは各事業所でそうしているという問題ではなく道交法でそうするように決められているからです。(二種の学科試験問題の中にもドアの開閉について誰がどう行うべきかを問う問題があります)

    運転手には旅客の交通安全を確保する義務があります。

    すなわち旅客の判断でドアの開閉を行ってしまうと本当にそれは乗降の為の停止なのか?ただの一時停止だったのか判断がつかぬからです。

    運転手が乗降の為に停止し前後左右から進入してくる移動体があるかないかなど確認した上でドアの開閉を行います。もし勝手に旅客がドアを空け外に出てしまい後ろか来た自転車バイクなどに接触じ事故を起こしたとしても、ドアロックを確認しなかった運転手、また旅客へ注意を伝えなかった運転手に責任が発生する事が道交法に書かれてあります。

    たとえ道交法によって義務付けられていなかったとしてもサービスとして行う事は非常に良い事だと思うのですが、無理やり逆説を言わせてもらえるならばもし旅客が「ドアは自分で開閉するから自分でやらせてくれ」と言ってきたとしても旅客に勝手に開閉させる事を認める行為は旅客運転手の責任として許されないのが旅客運送事業というものなのです。

    旅客の申し出で勝手に開閉して旅客が怪我をして旅客が私が勝手に空けたんですと申し出たとしても運転手には旅客が勝手にドアの開閉を行わないように務める義務があるからです。

    まあそこまで言われれば罪に問われるような事がないかもしれませんが、もし勝手に空けた旅客様が「いやぁ運転手が良いって言ったから」なんて後になって言われてしまえばそれまでです