なぜタクシーは臭いのか?

タクシー臭い

「クセェ!このタクシー!!クセェ!!!」

タクシーに乗って臭くて気持ち悪いという経験はありませんか?普通でも車酔いしやすいのにタクシー車内が臭くて酔った話は耳にします。

タクシーといえば臭いというのはもはや定番のクレームかもしれません。「おたくのタクシー臭いんだけど」事務所に苦情の電話が殺到しているのかも。

今回はタクシーが臭い原因を自分は臭いと思っていない現役タクシー運転手が記事にしました。定期的に仲間内でも話題になる「事務所に臭いってクレームがきたらしいよ」というネタ。どこまで本当なのか?臭い原因を徹底解剖します。

非常に汚い内容ですので食事中の人や潔癖症のみなさまは読まないことをおすすめします。二度とタクシーに乗れなくなる内容かもしれませんよ。僕も嘔吐感を感じながら書いています。マジ気持ち悪いのでやめたほうがいいですよ。

ではそれでもご覧になりたいかたは覚悟してどうぞ。

※記事内では「臭い」は「くさい」と読むよう統一しています。

勤務時間が長い

タクシー運転手の勤務時間は約20時間になります。その間、汗をかいたり食事をしたりトイレに行ったりいろんな行動をします。一般的なサラリーマンであれば1日を通してにおう前に帰れる時間ですがタクシーは体臭に酸味を帯び始めてからが本番です。

朝起きて清潔にしても長い時間顔や髪を洗わなかったり歯を磨かなかったら汚れやにおいは感じてきます。途中で歯を磨いたり顔を洗ったりすることもありますが、髪や下着などはお湯で流したり取り替えたりすることは難しい。結局は普通の人の2日分の汚れが溜まるのでタクシー運転手は臭くなりやすいのです。

タクシー車両は複数の人が使う

自家用車であれば自分と家族だけしか乗りませんよね。限られた人であればにおいや車内環境の管理は簡単。でもタクシーはいろんな乗務員が交代で乗ります。清潔な人もいれば汚れにむとんちゃくな人もいます。多数の人が無関心で利用するのですから車内の状況はもうヒドイものです。

前日に乗った人が汚れやにおいに鈍感ならすぐにわかります。運転手でさえ車内のシートに座った瞬間に「ダメだこりゃ」と思うのですから、清潔にされているお客さんが乗り込んだら気持ち悪くもなりますよ。

洗車をしていない

タクシーは仕事が終わってから洗車をします。どの程度きれいにするのかは個人裁量ですので時間をかけて隅々までしっかりす人もいれば、ほとんど何もしないという人もいます。

ある運転手がいうのは「キレイでも汚くても料金は変わらない」というセリフ。タクシーはお客さんが乗りたくて走っていれば乗ってしまうサービスです。店構えが汚いから他の店にしようという飲食店のような選択がしにくい。どんなに汚くても臭くてもお客さんが乗ってくるから洗車してもムダと考えている人はいるんですよね。

機器が多く居室の密閉度が低い

タクシーの車内は後付の機械がたくさん設置されています。料金メーター、カーナビ、クレジットカードや電子マネーの取扱端末、アプリ配車のスマホなど。それらは電子機器ですので熱を発しています。なかには焦げ臭いにおいを発している物も。

機械が多い部屋に入ったことがあるひとはわかりますよね。部屋に入った途端に焦げ臭いというか機器臭いというか。家電量販店のオーディオコーナーや、秋葉原のPCジャンク屋さんでも感じることができるあのにおいです。

すっきりとした部屋はクリーンな空気が澄んでいますが、機器が密集している個室はよどんでいます。タクシーはどちらかというと後者。多様な機械が密集している小さな個室は臭いのです。

制服が臭い

タクシー運転手の制服はスーツ姿が一般的ですよね。普通のサラリーマンであれば自前のスーツですから何着か着まわしてクリーニングに出したりと清潔感を保っているはず。

でも制服のスーツは何着も着まわしていない人が多いのです。実際に何着も持っていてクリーニングに出したりしている話は聞いたことがありません。ほとんどの運転手が同じ制服を何日も着続けているのです。

ただでさえ暑くなりがちなタクシー車内。何日も着続けていると汗のにおいやフケ、食事のカスなど嫌なにおいが染み付きます。でも同じ服を着ているので自分ではにおいに気づきません。結局迷惑するのはタクシーに乗ってくるお客さんなんですよね。

トイレに行って手を洗ってない

年令をかさねた男性はトイレにいっても手を洗わないとたまに聞く話。「かかっていないし、汚くないから」と平気な顔してタクシーの運転席に乗り込みます。そのままハンドルを握り、釣り銭やレシートをその手で扱うのですよ。想像するだけで・・・

タクシー運転手はオフィスで仕事していないのでトイレ事情がシビアです。尿意をもよおしてもトイレを探したりするのが難しい。知らない場所だったりするとなおさら。最終的にはコンビニで借りてということがよくあります。

今でこそコンビニは少し走れば目にすることができますが、何十年前だと空いているお店がない時代もありました。そんなときは人目を避けて草むらで・・・人気のない場所に手を洗う水道はなく、手をフリフリしながら運転席に座りハンドルを握り、釣り銭とレシートを・・・

全ての運転手が手を洗っていないわけではなく清潔にしている人もいます。でもタクシー運転手は必ず手を洗っていると断言できないのが現実。お客さんはなるべく気にしないようにして、家やオフィスに戻ったらうがい手洗いをしましょう。

前日にゲロ

タクシーは酔っぱらいの送迎を担当しています。深夜につぶれた酔っぱらいを乗せるのは爆弾を積んで走っているようなもの。ゲロという爆弾が破裂するかもしれない状況でタクシー運転手はがんばって運転しているのです。

酔っぱらいもたまには吐きます。本人も吐きたくて吐いているのではありませんが吐きます。ツーンとした酸っぱいにおいが車内に充満し、運転手は急いで窓を開け車内換気をします。もらいゲロをしてしまったという運転手もいますので狭い車内で吐かれるのは非常に強烈だということを物語っていますよね。

お客さんの忘れ物である嘔吐物はタクシー運転手が清掃します。吐かれた時点でその日の営業は終了。売上は諦めて事務所に帰り車内の清掃を始めます。

時間をかけて掃除しますが、完全に酸っぱいにおいはとれません。消臭剤をかけてもなんとなく臭う気が。酸っぱいにおいがとれなくても次の日の営業日は必ず訪れます。なんとなく臭うまま次のお客さんを乗せることになるのです。

直前に乗った人が臭い

お客さんを降ろしたらすぐに次のお客さんを探します。特別汚れていなければ普通は何もせず業務再開。乗ってきたお客さんは直前にどんなお客さんが乗っていたかは知る由もありません。

酒臭かったり体臭が多かったり、香水の香りが充満していたりとお客様たちは様々なにおいを持っています。強烈なにおいがする場合は車内に香りが染み付くことがあります。窓を開けて換気する間もなく次のお客さんが乗ってきた場合「なにか臭うな」といわれることも。

タクシー車内は狭いのでにおいがこもりやすく、換気してもなかなかにおいがとれないことも。そうこうしているうちに次のお客さんを乗せることになるのです。いつも前に乗った人のにおいは残っているなぁと思います。

芳香剤が臭い

オートバックスやイエローハットにはいろんな車内用芳香剤が売っていますよね。タクシー運転手がセレクトする「俺の香り」が他人には臭いパターンも。自分が気に入っている香りが必ずしも他の人の好みに合うとは限りません。

良い香りだと思って用意している芳香剤も、お客さんにとっては不快なにおいになっている可能性もあります。においの好みは千差万別、独りよがりの香りの押し売りはマナー違反ですよね。

自分だけのマイカーであればどんな香りを用意しても問題ありません。でも多様なお客さんが乗るタクシーであれば無難な香りが基本。良い香りだと思っていても不快に思われていることを理解できない運転手もいるのです。

車内で食べ物がキノコ

タクシー運転手も食事を取らないと仕事になりません。外食で済ませることがほとんどですが、ちょっとした時間に車内で軽食をとることがあります。その食べ物などが飛び散り車内ににおいとして残るんですね。

車内で食事禁止のタクシー会社もあります。でも実際は全車監視するのは不可能。常に店舗型のお店で食事を取ることは難しい。今の世の中コンビニが多数あるので簡単な食事を買って車内で食べるということはやめるにやめられない食事方法です。

自家用車でよくあるシート下に落ちた食べカスにキノコが生えていたということもタクシーでも起こりえます。お客さんも後ろでガサガサと何か食べている様子も伺えます。完全な車内食事禁止も難しいので食べカスに気をつけるのと洗車をしっかりするしかありませんね。

加齢臭

人は誰しも年を取ります。人生の順番ともいえる老い。年令を重ねるとともににおい始める加齢臭は仕方ありません。

毎日お風呂に入って服装も清潔にしていたとしても狭い車内で人間という大きな物体がにおいを放っていれば臭いに決まっています。「おじいちゃん臭い!」と孫に指摘され悲しむ年配の姿が想像でき、いずれは自分もかと悲哀な気分に。

高齢化が進むタクシー業界は加齢臭と上手く付き合っていくしかありません。加齢臭対策が業界の問題点というのはなんとも悲しいものです。

タクシーが臭いときの対策

乗ったタクシーが臭くてがまんできない場合は窓を開けさせてもらいましょう。「酔いやすいので少し窓を開けてもいいですか?」と運転手に一言伝えれば問題ありません。異臭漂う車内でも新鮮な外気が流れ込めばいくらか軽減されるはずです。

注意したいのが「寒いから」「暑いから」の理由で窓を開けたいと伝えた場合。運転手が余計なお世話でエアコンを強くする可能性があるからです。ただでさえ臭い車内、カビ臭いエアコンの風が悪臭を循環させ状況は悪化します。

どうしても臭いタクシーががまんできない場合は早めに降りて違うタクシーに乗り換えましょう。その時は今まで乗っていたタクシーが過ぎ去ってからにしてください。たまに乗り換えているのを見てがっかりしていますよ。

まとめ

タクシーが臭い原因は多種多様。ひとつの問題を解決すれば大丈夫ということではありません。複合的な原因があり相互に作用するためタクシー車内は異様なにおいになってしまうのです。

臭いにおいは自分では気づきにくいもの。良かれと思ったにおいも他人には不快なことも少なくありません。嫌なにおいは精神的に辛いので少し臭いだけで気になるのは誰でも同じです。

人間はひとりひとり個性があります。においも特徴がありにおいだけで誰かわかることもありますよね。

臭いタクシーも個性ある香りだと思うと乗る楽しみも増えるかもしれません・・・と思ったけどやっぱりムリ。臭いものは臭い。タクシー運転手たちよ、頼むから無難な消臭剤を用意してくれ。

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