タクシーって町中をよく走っているのを見るけどどうやったらなることができるの?と疑問を持っている方は少なくないでしょう。タクシー運転手になるには会社選びから入社してから初乗務までの流れを知る必要があります。
この記事では現役タクシー運転手が自分の経験からタクシードライバーになるにはどうすればいいか?を書いています。
一般的なタクシー会社に当てはまるよう書いていますので参考になるはずです。大まかな流れさえ掴んでおけば戸惑うことはありませんよ。
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タクシーになるための資格や条件とは?
タクシー運転手になるには資格が必要になります。かといって司法試験のような難関試験ではなく、誰でも取得できる資格などです。
知っていると転職活動や仕事探しに役に立つと思いますよ。
タクシードライバーの定年は何歳?
一般的な会社の定年は60歳や65歳ですよね。そこから属託契約で継続して仕事をする。これが常識の会社だと思います。
ではタクシー会社はどうなっているのか?会社にもよりますが定年は65歳。そこから定時制やら契約やらで75歳まで働けるのが一般的なタクシー会社だと思います。
要するに自分の体が大丈夫なら75歳まで働けますよということです。
タクシードライバーの募集は何歳まで?
75歳まで働けるといっても何も運転の経験がない人がいきなり70歳から働きますといっても難しい。僕の聞いている話だと60歳くらいまでは経験によっては十分就職できる範囲だということです。
何歳まで応募できるのか?については会社によりますので応募の際に確認する必要があります。でも一般的な会社よりは年齢に関しては融通してくれる印象ですね。
タクシー運転手になるには二種免許が必要
お客さんを乗せて運賃を頂く運転手になるには二種免許といわれる免許を取得する必要があります。
下記に道路交通法を引用させていただきます。タクシー運転手になるには普通二種免許が必要ですよということです。
(第二種免許)
第八十六条 次の表の上欄に掲げる自動車で旅客自動車であるものを旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で運転しようとする者は、当該自動車の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる第二種免許を受けなければならない。引用:道路交通法
(昭和三十五年六月二十五日法律第百五号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO105.html
普通二種免許の受験資格は?
普通一種免許が一般的に自動車教習所で取得する運転免許証というものです。タクシードライバーに必要な二種免許を取得するための運転免許試験の受験資格は大きく2点です。
・21歳以上であること
・普通免許を取得してから3年以上であること
以上の2点です。
各個人によって違いがあるので詳細は各自ご確認ください。一般的には21歳以上、免許取得して3年経過、の2点で受験できます。
下記に受験資格の道路交通法を引用させていただきますので参考にしてください。
(受験資格)
第九十六条
5 第二種免許の運転免許試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
一 牽引第二種免許以外の第二種免許の運転免許試験については、二十一歳以上の者で、大型免許、中型免許、普通免許又は大型特殊免許を現に受けている者に該当し、かつ、これらの免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年(政令で定めるものにあつては、二年)以上のもの引用:道路交通法
(昭和三十五年六月二十五日法律第百五号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO105.html
タクシー運転手になる最難関は地理試験かも?
タクシー運転手になるために必要な試験は二種免許と地理試験。これは東京地域なら当然の認識です。しかもこの地理試験が難しくて受からない人が多いとか。
地域によって違いがあるので希望している地域の地理試験の有無は転職前に確認しておくといいでしょう。
地理試験は基本的に試験範囲のテキストを渡されその中からしか出ない試験です。しかしまったく知らない地域の話だと土地勘もなく難しいのです。
逆に昔から住んでいる場所の地理試験だとテキストを少し見直しておけば解ける簡単な試験でもあります。タクシーは土地に精通していなくてはいけないという観点からの試験ということですね。
地理試験とは?
どの道路にどういった施設があるか?というような選択式のペーパー試験です。受験者を落とす試験ではなく、地域で仕事するのだから最低限は地理の勉強をしてね、という程度の試験です。
ですからタクシーになるために上京してきたような人にとっては勉強なしでは難しい試験です。
東京特定指定地域でタクシー運転者になるには、東京タクシーセンターで事務を代行し、実施している「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」(当該指定地域に係る地理、タクシー事業に係る法令、安全及び接遇の二科目)に合格しなければなりません。
地理科目の試験は、東京特定指定地域の道路、地名、著名な建造物、公園、名所及び旧跡、鉄道の駅の所在など40問出題し、合格基準は32問以上の正解(正答率80%)となっています。
法令、安全及び接遇科目の試験は法令、安全、接遇から45問出題し、合格基準は36問以上(正答率80%)となっています。引用:公益財団法人 東京タクシーセンター
https://www.tokyo-tc.or.jp/business/index.html
転職活動から運転手になり初乗務までの流れを簡単に把握しよう
僕がタクシーになるまでの経験や聞いた話、こうしたほうがよいなどの話をまじえながら簡単に解説してみました。
タクシーという職業は地域差が大きいのであくまで参考にしていただければと思います。
転職、就職のポータルサイトに登録する。
タクシー会社に応募するには転職サイトから応募するか求人情報誌やハローワークがあります。おすすめは転職サイト。なぜなら募集をかけているタクシー会社の情報が多いからです。
ハローワークでも募集をしているタクシー会社はありますが検索しづらいのと募集内容がみづらい。しかも特に条件がよい会社が掲載されているわけではありません。リクナビの方がタクシー会社も力を入れて求人情報を掲載している気がします。わざわざハローワークに交通費を使って行く必要はありませんよね。
地元の求人情報誌は地域の求人広告が掲載されているからおすすめ
求人情報誌は地元ローカルな募集が掲載されていたりするので狙い目です。リクナビだと全国カバーなので転職者と会社のマッチングがしづらい面があります。
駅や飲食店などで地元の求人情報誌が置いてあれば目を通すといいでしょう。ただ掲載情報量はリクナビのほうが多いはずです。
リクナビであればネットから応募できますので簡単です。今のタクシー会社は人手不足なのですぐに面接日の連絡が来ると思います。履歴書や職務経歴書、面接の準備は怠らずにおこないましょう。
失敗しない優良タクシー会社の選び方とは?
タクシー会社といってもピンきりです。運転手としての仕事は同じですが所属する会社が違うことによっていろいろと変わってきます。
僕がおすすめするタクシー会社はタクシードライバーとして転職や就職の最初は大手タクシー会社です。なにもわからない状態であればなおさら大手を選んでおけば間違いない。大手が合わなければ他に移籍すればいいのです。
タクシー会社を選ぶ要点をまとめると
①自宅から近い通勤しやすい営業所
②福利厚生がしっかりしていて会社の経営状況が良好
③会社が売上を上げる方法を提案してくれる
上の3点を特に気をつければタクシー会社選びに失敗することはないはずです。
タクシー会社に応募するのは早めがいい理由
タクシー会社が抱えている車の台数は限定的です。特に今は簡単に自社のタクシー台数を増やすことはできません。
タクシーの台数が決まっているということは受け入れできる新人も限りがあるということです。要するに10台タクシーがあったら運転手を10台分しか割り当てることができないのです。
特に優良タクシー会社は入社する人が多く、辞める人が少ないので空いている車も少ないことがあります。早めに応募して損することはありませんよ。
面接は気軽に受けて問題なし?
面接の服装は基本的にスーツで行けば間違いありません。スーツを持っていなければキレイ目の服装で行けば大丈夫なはずです。顧客先に訪問する営業マンではないですし、制服で仕事する運転手ですから正直に話せば面接官も理解してくれます。
入社日は自分の都合に合わせて相談しよう
めでたく入社が決まれば現職の退職日から入社日を設定します。現在フリーで転職活動中なら早めの入社がいいでしょう。ここまでくれば会社側がリードしてくれますので指示に従うだけです。
タクシー会社の養成制度を利用して二種免許を取得
各タクシー会社では養成制度といって会社負担で二種免許を取得させてくれることが一般的です。ただ条件として1年や2年の継続勤務を求められること多い。細かい条件は各タクシー会社に確認しましょう。
開始屋の指示を受けタクシー運転手に必要な資格である二種免許を取得します。ほとんどの方が一種普通免許ですので入社と同時に取得することになります。筆記試験があったりしますが簡単に合格しますので心配いりません。
なぜなら自動車教習所はさっさと合格卒業して次の生徒を受け入れたいから。変に卒業を遅らせると早く乗務してほしいタクシー会社が良く思わないからです。自動車教習所にとってタクシー会社はお得意様ですからね。
タクシーセンターで受ける地理試験が一番のがんばりどころ
二種免許と入社面接などは意外とすんなり通ります。しかし地理試験は点数が合格ラインに届いていないと容赦なく落とされます。
試験に落ちても何度も受けさせてもらえますが合格が遅れた分、タクシー運転手になるまでの時間が長引きます。
ここは自分の時間を有効に使って一回で合格するようにがんばる時です。地理試験はタクシー運転手になるための最難関といえるでしょう。
先輩ドライバーと同乗研修で心配事をなくせ
二種免許を取ったらお客さんを乗せて大丈夫になりました。晴れてタクシードライバーになったということです。
会社によりますが最初の何日かは先輩タクシードライバーと一緒に乗務します。まだ右も左も分からない新人です。疑問や不安な点はどんどん聞いておきましょう。
独り立ちするとタクシー運転手は一日中一人仕事なので疑問や質問を聞ける機会が極端に減ります。事前に心配事や不安なこと、質問内容をメモしておくと忘れずに解決できるので安心です。
タクシードライバーとして独り立ちの初乗務は緊張の連続
初乗務の最初のお客さんの行き先は今でも覚えています。ワンメーターの距離だったのですがドキドキしました。今ではワンメーターだと・・・って感じですけどね。
自分も含めて新人さんを見ていると最初の三日間が重要です。大変ですけど三日間くらいがんばればあとは楽になっていくようです。
基本的にタクシーは毎日同じような業務をこなしていくだけです。でも何年たっても覚えることや知らない道はなくなりません。知らない道がなくならないのはタクシードライバーの難しいところです。
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タクシー運転手になるにはのまとめ
タクシードライバーになるまでの流れをざっと解説しました。何度もいうように会社によって違いはあります。でも同じようなスケジュールなのは間違いありません。
タクシー業務は最初に覚えることは少なく簡単です。しかし覚えなければいけない事や知らない事は何年たってもなくならないという職業です。
地道にコツコツ仕事をしていればお客様から「ありがとう」と感謝される日が来ます。その言葉を聞けばタクシードライバーで良かったと思うに違いありません。お客様から直接感謝される数少ない職業としては魅力があると思いますよ、タクシー運転手はね。