タクシー運転手は底辺の職業だ。とかってよく聞きますよね?僕もタクシーだけはやりたくないなぁと思ってました。でも今ではタクシードライバーとして仕事をしています。
自分でタクシー運転手を職業としていると底辺な認識はあまりありません。でも世間から見ると底辺と見られているのかなぁと意識は少しはありますね。
この記事はなぜタクシー運転手は底辺なのか?を検証してみたいと思い記事にしてみました。データを交えながら書いていますので参考にしていただければと思います。
タクシー会社の数から判断できるか?
タクシー会社の数は底辺に属するのかを数から検証してみたいと思います。
下記引用からのデータをまとめると
法人タクシーの数は6,390社。全国の法人企業は約170万社。
う~ん。この数の比率ではタクシー会社だけで底辺を上を支えることが難しい気がします。他にも同列の法人企業が多数いることが想像できますね。
個人タクシーとの比較は個人事業主とで見てみましょう。
個人タクシーの数は36,962。個人事業主は約242万。
これもなんだかよくわからない比率になってしまいました。個人タクシーだけでは底辺を支えられそうにありませんね。他にも同様に底辺を支えてくれる個人事業主がありそうです。
タクシー会社の数だけで見るとタクシーだけで底辺を支えることは難しいようです。他にも同様の底辺企業が存在することになりそうです。
平成26年の法人タクシー事業者数6,390
個人タクシー車両数 36,962
引用:法人タクシーの事業者団体 全国ハイヤー・タクシー連合会 (全タク連)
全国の事業者数及び車両数の推移
http://www.taxi-japan.or.jp/pdf/toukei_chousa/jigyousya_syaryou_suii28.pdf
●総務省統計局の平成24年2月公表
企業数は412万8215社
法人企業は約170万社(つまり個人事業主とペーパーカンパニーは約242万社)
底辺らしい年収になっているのか平均年収を調べてみた
底辺といえば給料や年収が低いと予想されますね。他の産業との比較でタクシー運転手の年収が底辺か検証してみましょう。
タクシー運転手の平均年収は332万円。全産業男性労働者の平均年収は549万円。差が217万円と大きく開きが出てしまいました。
単純な年収比較でいうならタクシー運転手は底辺と認めざるをえないようですね。
労働時間はブラック企業の過酷さに違いない
底辺といえば労働時間が長いことかもしれません。ここでもタクシー運転手と他の産業の比較をしてみたいと思います。
タクシー運転手の月間労働時間は193時間。全産業男性労働者の月間労働時間は181時間。差が12時間。
労働時間で比較すると大きく差がないようですね。
タクシー運転手は厚生労働省によって勤務時間や拘束時間が厳しく決められています。ですからサービス残業や労働時間外の業務はできません。
タクシー運転者の193時間は大きく超えることがありません。しかし全産業男性労働者の労働時間は181時間では収まらないのではないかと僕は思います。
タクシー運転者(男)と全産業男性労働者の労働次男・賃金比較(平成28年)
月間労働時間
タクシー運転者 193
全産業男性労働者 181年収
タクシー運転者年間推計額 3,320,100
全産業男性労働者年間推計学 5,494,300タクシー運転者(女)と全産業女性労働者の賃金・労働時間の推移(平成28年)
月間給与
タクシー運転者(女) 222,100
全産業女性労働者 262,700月間労働時間
タクシー運転者(女) 182
全産業女性労働者 171引用:法人タクシーの事業者団体 全国ハイヤー・タクシー連合会 (全タク連)
平成28年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況
http://www.taxi-japan.or.jp/pdf/toukei_chousa/tingin28.pdf
朝から晩まで働いているから勤務体系は底辺
タクシー運転手の労働時間は朝7時頃から次の日の3時頃までの20時間拘束、3時間休憩の隔日勤務といわれる勤務体系が一般的です。
1日月曜日の朝7時に出庫して翌2日火曜日の深夜3時までに帰庫するのです。2日月曜日は明け番といって休養を取ることになります。次の出番は3日水曜日の朝7時に出庫して翌4日木曜日の深夜3時までに帰庫。これを繰り返すのがタクシー運転手の勤務体系です。
一回の拘束勤務が20時間なのはブラック極まりない。でも一度帰れたら明番(あけばん)といって24時間程度は休養できる一日おきの仕事ともいえますよね。
タクシー運転手の労働時間は具体的にイメージできる!タクシー運転手の労働時間を分かりやすくしたで詳しく書いています。
給料が完全歩合制。ブラック会社と底辺に違いない
タクシードライバーの給料は完全歩合制が一般的です。明細の上では基本給と表示されていますけど売上が上がらなければ基本給も何もありません。
タクシー運転手の給料と歩合については初めての給料に後悔しない!タクシー運転手が歩合をサクッと解説!を読んでいただければもっと詳しくわかりますのでぜひどうぞ。
売上が高い運転手は高給だし、サボってばかりの売上が低い運転手は薄給です。やったらやった分だけはもらえる職業なのです。
タクシードライバーにはサービス残業も休日出勤もゴルフ接待も飲みの付き合いもありません。固定給だけどサービス残業、休日の上司接待ありと、歩合給で仕事中以外は自由。どちらを選ぶかはアナタ次第ですよ
旦那や彼氏の職業を言えないから底辺
地域住民の移動手段として活躍するのがタクシーです。縁の下の力持ちのように地味に地域の生活を支えている存在です。そういう意味では底辺で生活を支えているといえるかもしれません。
労働環境は底辺にありがちな3K
敬遠される仕事といえば3Kですよね。3Kとは、汚い、きつい、危険、といった労働環境のことをいいます。
確かに誰でも汚いのは嫌だし、きついのもヤダ。危険なんてもってのほかな人がほとんどだと思います。
ではタクシー運転手に当てはめてみましょう。
最初は汚いです。
汚いについては酔っぱらいのゲロや洗車の時は汚いなぁと思います。ただ酔っぱらいのゲロなんてそうそうありません。洗車の汚いのは掃除ですから許容範囲の汚さです。
タクシー運転手の仕事は汚い印象はないと思います。
次はきつい
これはマジきつい(笑)。労働時間が隔日勤務だと朝から朝までできつい。眠くてきつい。売上が上がらなくてきつい。道がわからなくてきつい。家に帰るとカーチャンが怖くてきつい(笑)。などなど
とにかく毎日きついなぁと思いながら仕事をしています。でも仕事ですから多少のきついは仕方ありません。
人それぞれ何をきついと思うか違います。タクシー運転手の仕事をきついと思って辞めていく人もいます。逆にタクシー運転手は楽な仕事と思っている人も多くいます。
仕事として多少きつい部分は仕方ないとすると、それ以外はそんなにきつくないよなぁと感じていますね。
最後は危険
これは超危険かなぁ。交通事故で死に至ることも。たちの悪い酔っぱらいに殴られたり、強盗に襲われて刺されることも予想できます。
ニュースでよく取り上げられるのはこういう極端な事件ばかりですよね。逆に考えると極端に珍しい事件だからニュースになるのです。要するにほとんど起こらないのですね。
一般的な事務職に比べると危険な職業なのは間違いありません。であればタクシー運転手は危険な職業といえるかもしれませんね。
タクシー運転手は社会的信用がない?
クレジットカードやETCカード、住宅ローンは組めないの?社会的信用は?どうなのか気になります。社会的信用にはローンが組めるかがひとつありますよね。クレジットカードを作れたりとか住宅ローンが組めたりとか。
ローンが組める組めないは本人の個人信用にもよりますが、会社の信用面が大きい。ある程度の規模のタクシー会社であれば信用自体は問題ありません。あとは個人信用が判断基準になります。
タクシー運転手は二種免許を取得する職業ですのである程度信用されています。健康な正社員であれば特にタクシードライバーだからといって特別な扱いを受けることはありません。
タクシー運転手に必要な資格や二種免許については悩み解消!タクシーに必要な免許を知るにはこれだけ読めば大丈夫!に詳しく書いていますのでこちらもどうぞ。
家庭や身近な人への信用は底辺か?
タクシー運転手を生業にしていますと話すと、え?と言われることもないとはいえない・・・でもなにか悪いことでもあるのかと聞いても「なんとなくイメージで・・・」といった返答が多いですね。
タクシー運転手は運転マナーが悪いなど昔からの非常に悪いイメージが大きな欠点だと思います。確かに悪い人もいますが良い人も多い。いろんな人がタクシードライバーとして働いているのに一括りにして語るのが原因ですね。
ネットでは旦那や彼氏がタクドラをしているとイヤがるといいます。タクシー運転手は結婚していない人が多いとも話題に。
他には雲助、運コロなどと揶揄される表現で呼ばれることもイメージを悪くさせています。
タクシー運転手は接客業やサービス業といわれる立派な職業なのですけどね。結局はイメージが悪いのです。
底辺とはどういう意味?
僕は記事を書いていて底辺ってなんだろう?と疑問が湧いてきました。世間で話題にする人たちは底辺は最悪な意味に置き換えているのだろうと思います。
プライドや自尊心が高いと底辺と呼ばれる職業につきたくない気持ちもわかります。家族や友人知人にタクシードライバーをしているといえないよね。そんな話はよく聞きます。
底辺=最悪な意味ではないのです。底辺はみんなの支えになっている意味なのです。
まとめ
底辺がしっかりしていないとピラミッドは崩壊してしまいます。同様に底辺を支える職業の人達ががんばらないと社会が崩壊してしまうでしょう。
そういう意味ではタクシードライバーの職業は底辺です。底辺から地域住民の足となり生活を支えているのです。
結論としてタクシー運転手は立派な底辺ですね。
この記事を読んでタクシードライバーの仕事に興味を持ってもらえたなら「タクシー求人サイトは【転職道】がおすすめな理由」をご覧いただくと転職に役立つ記事も書いていますよ。